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「科学系の論文」に、文系脳がぶつかってみました!!
「モッチリした打感が~」とか「飛ぶ感じがする」といった「文系脳」丸出しの文章が得意な自分ですが、先日興味深い「ガッチガチな理系」論文をみつけました
自分たちが蓄えてきた「ガットの性能」について、ところどころ理解を改める必要がありそうです
「考えるべき点」
- ガットには「弦楽器的な性能」と「武器としての性能」の2種がある
- 弦楽器的な性能…フィーリングに関する要素(音・振動・心理面・打球感など)
- 武器としての性能…ボールを飛ばす要素(打球速度・反発性能・スピン量)
陽気なA君
ぺんてぃ
テンションは「フィーリング」にしか影響しない的なことが書かれているよ!
本記事では「テンションに関する事実」について、まとめてみました!
- 武器としての性能…球質に直結する要素
- 弦楽器としての性能…感覚的な要素
テンションの強さでかわる要素
- テンションは「武器としての性能」には影響しない
- テンションは「弦楽器としての性能」に大きく関係する
- テンションは「スピン量」に影響しない
要するに、テンションの違いは「感覚的な要素」にしか影響をあたえません
つまり「張りの強さ(経年変化=テンションロスも含む)」は「弾き=反発性能」に関係ないということです
テンションの違いが「飛びの良さや初速の速さ」に関係するように思うのは、プレイヤーが実態とは関係なく「官能的にそう感じた」だけと言えます
2005年あたりからそれまで謎であったスピンのメカニズムの解明が進み,ストリングの設計論が従来とは180度変わってきました.「ナイロン,天然ガット,ポリエステルという素材の違いは反発性に影響しない」,「テンションの違いは反発性に影響しない」,「素材の違いはスピン量に大きく影響し,ポリエステルが最大,ナイロンが最小」,「テンションの違いはスピン量に影響しない」,「スピン量はガットを張り替えた時点から時間の経過とともに低減する(ボールコントロールが難しくなる)」,したがって,「試合の途中で選手がラケットを変えるのは,コントロール性能を回復させるためである」などが,最新の科学的な常識です.
ぺんてぃ
おそらく張り上げテンションの差は「スピン量」に関係ないけど、テンションロスはスピン性能(コースのばらつき)に影響するってことだろね!
テンションは「反発」に関係ないが…
- テンションで飛びが良くなることはない
- しかし「たわみ量」には関係がある
- たわみ→ボールの飛距離に関係する
「球速」と「テンション」は相関がありません。どんなテンションで張ろうがボールの速さは変わらないということです。
しかし緩く張るとラケット面が大きくたわむため、ボールは「上方向」に飛びやすくなるといわれています
テンション差は「ボールの速度」には関係ありませんが、「軌道・飛距離」には影響します
プレイヤーが感じ取れる違いは?
- 官能的要素(打感や音など)の違い
- 面のたわみ量
- ノッチによるスピン性能の低下
官能的要素と面のたわみ量(飛距離が変わる)については、テンション変更でコントロールできます
またテンションとは関係ありませんが、ガットを使い続けることで発生する「ノッチ(ガットのくぼみ凹)」によって、スピン性能が低下することがわかっています
スピン量が減ると相対的に「接触時間が減る、球速が速くなる」ので、ノッチが出来た状態と新品の時とでは性能が異なることも感じ取れます
ぺんてぃ
ノッチとスピン量の関係については、また違うテーマだよ!
武器としての性能差がないのなら…
- フィーリングを「最重視」してテンション調整するのが良い
- 速い球が打ちたければ、スピンの掛からないものを選ぶ
- スピン性能を重視するならノッチの出来ないものを選ぼう
結論、テンション選びは「自分の感覚」を最重視して行うのが良さそうです
他の文章も見る限り、速いショットを打ちたければ「スピンの掛かりづらい個体(ガット)」を選ぶか、スイングスピードを上げやすい感覚のものを選べばOK※
※筋トレやラケットをカスタマイズしない限り「スイングスピードを上げやすいストリング」も結局フィーリングに影響されますもんね←
テンション調整は「飛び(ボールの速度)には影響しない」ので、速い球を打ちたい方は「テンション<自分の感覚」ということだけ覚えておきましょう
ぺんてぃ
他にも100記事近くあるから、適宜読んで考察を上げていくよ!お楽しみに!