ポリを張ろうかナイロンを張ろうか迷うという方は意外と多いです。
本記事ではそもそもポリとナイロンの違いは?という観点から、それぞれの特徴を理解し各々に合ったガット選びの参考にして頂けるようまとめてみました。
ポリとナイロンの違い
- 【ナイロン】…柔らかい、弾きが良い
- 【ポリエステル】…硬い、飛ばない、耐久性が高い
- 材質の硬さが違う
- ポリはスピン性能に優れる
- 耐久性の違い
ガットの材質の硬さについて
そもそもガットの種類としては、ポリもナイロンもシンセティックガットという部類に入ります。このシンセティックガットの中でポリとナイロンに分かれています。
この2つの大きな違いとしては材質の硬さが異なるという点です。
人工素材で作られるナイロンガットは元々ナチュラルガットと呼ばれる【牛・羊の腸が原料】の天然素材のガットを模倣するために作られたという経緯があります。言い換えるならば、ナイロンガットは【柔らかい、弾きが良い】という持ち味を持たそうという意図があります。
一方で同じ人工素材でありながら、ナイロンよりも耐久性を持たせたいという事で開発されたのがポリエステルです。耐久性を持たせるために、より硬い材質を使う必要があるためナイロンより硬くなってしまいます。
ポリはスピン性能に優れる
ボールをコート内に落とす方法には以下の2通りがあります。
- 回転を掛ける
- ボールを潰す
まず一般的な認識の強い、1.回転を掛ける=ボールを擦るという事について取り上げます。
ボールを擦ることで上記動画のようにガットがずれ、ボールにスピンが掛かってくれます。この現象は【スナップバック効果】と呼ばれています。
ポリはナイロンよりも表面が滑りやすいという特徴があり、擦るスピンを掛ける点において優位性があります。
また2.ボールを潰す=力強いスピンボールが打てると言われています。
力強いボールを打つためにはボールを潰しながら、打球面をボールの中心よりやや上側でヒットし、打ち出し角度・方向に向けてスイングすることでスピンが掛かります。
より硬い材質のポリの方がボールを潰しやすく、またガット自体の反発も抑えられている分打球方向にしっかり振れるためスピンが掛かりやすくなります。
別サイトですが、詳しくはこちらの記事を読まれるとわかりやすいです。
上記2点により、ポリの方がスピンを掛けやすいのです。
耐久性について
ポリはナイロンの3~5倍以上の耐久性を持っていると考えています。
ガットが切れる要因としてはノッチ(溝)が関係しています。
ナイロンは材質自体が柔らかい分、摩擦に対して弱く削られやすいです。そのためのノッチが出来やすいです。
一方ポリは、材質が硬い分摩擦に対して強く削られにくいです。ナイロンでは削れてしまうスイングでも、ポリだとびくともしないケースがあります。
私個人の結果としてはナイロンだと30分くらいで切れてしまいますが、ポリだと7日間程度もってくれます。
ポリガットの使用上の注意
ここまでの記事を読むとポリの方がガット自体の性能が優れているように思います。
しかしながらポリにもデメリットがあります。
- ナイロンより飛ばない
- 身体に負担がかかる
- 性能維持性能が低い
ナイロンより飛ばない
ポリは硬いため、ガット自体に伸縮性がほとんどありません。そのため自分のスイングで打ち抜ける方でないとスピンが掛かっていてもかえって甘い球になり、相手に打ち込まれやすくなります。
そのようなケースだと、力んで打つスイングが癖になってしまい試合に勝てなくなってしまう可能性が大きく高まります。主に小・中学生のジュニア選手に見られる傾向です。
身体に負担がかかる
ガット自体が硬い分、打球衝撃が大きくなり身体に対する負担が高まります。特に手首と肘を痛める方が多いです。身体が出来上がっていないジュニア選手や、心配を抱える方はナイロンを使うか、テンションをナイロンよりも5ポンド以上落として使う事をお勧めします。
性能維持性能が低い
ポリエステルは切断耐久という点では非常に優秀です。しかしながら性能維持という点ではまだまだ改良の余地があります。
ポリは材質上伸びやすいため張りあがり後短期間で伸びきってしまい、弾性を失います。弾性を失うことにより球の飛びやスナップバック効果、打球感が悪くなります。
そうなるとガット自体は全然切れる気配がないのに、張りたての使用感とは全然異なるという事態が発生してしまいます。
中1くらいまでのジュニア選手や、自分のショットが、ちゃんと飛んでないな~という方はナイロンガット張ってみることをお勧めします。
一方でポリ使いで、しっかり球は飛んでるけど、もう少しミスを少なくして安定感を出したいなという方は1ゲージ分ポリを太くしてみてもいいでしょう。
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