ぺんてぃです。テニス(特に道具)に関するブログを書いて生活しています
そんな自分が「道具に悩む方々」に知っておいて欲しいと強く思う事柄のひとつが「ガット選びに悩まないためのコツ」です
初めに「コツ」を知っておかないと、何が良いかわからず「数百種類のガット×テンション×(数百種類のラケット)×…」の沼にハマり、道具に振り回されてしまいます
かれこれ日本市場にあるほぼすべてのテニス用品にふれてきて、同時に社会人プレイヤーとしてアマチュアながらも競技テニスに取り組みながらガット開発に携わってきたりプロ選手の相談を受けたりしてきました(GS出場選手も数名)
そんな自分のこれまでの経験から
必要以上にガット選びに惑わされなくなる
コツ・心構えをピックアップしてみました。全国大会にでるような競技者だけでなく、初心者でも意識してもらえるポイントも多いと思います
少しでも参考になればうれしいです!
ぺんてぃ
インプレ記事は「ある程度自分の中で欲しい機能を絞り込めた上で」読むと効果的です
前提:100%の満足は「ありえない」
まずガット選びに絶大なる期待を込めていた方には、残念なお知らせです
仮に数百種類のガットを試したとしても
100%納得のいくストリングは見つかりません
厳密には「見つかる方は稀」で、99%の人は何かしらの要素を妥協する・目を瞑りながら使用することになります
この事実を踏まえたうえで、自分に合う道具選びをしていかなければなりません。デメリット無しに戦闘力を上げてくれる魔法の道具は少なくともテニス用品には存在しないのです
ぺんてぃ
ガット選びに悩まなくなる「7つ」のコツ・心構え
ガット選びに、悩まないためのポイントは「7つ」あります
これだけを抑えておけば、とりあえずOK!というものを取り上げたので、参考にしてみてください
- 優先順は「打感→飛び→その他」
- 好みの材質を決め、変更しない
- まずはラケットと同じブランドから選ぶ
- ③で好みを見つけ、他ブランドの似た製品と比較
- 好みのガットを見つけたら1本は絶対固定
- テンションは緩め→硬めへ
- 定期的に他のガットを(同じ材質)触る
1. 優先順は「打感→飛び→その他」
ガット自体に求める項目で、最も優先すべきものは「フィーリング(打感)」
競技レベルがどんどん上がっていくとある程度の飛び、スピン、コントロールは「技術」や「練習量」でなんとでも出来るようになってきますが、打感自体は道具をいじらないと基本的には変えられません
フィーリングが良いものの中から「イメージ通りに飛んでいるか、相手の手元で失速していないか、球が伸びているか」を選り好みしていくと最適です
2. 材質を決めたら、変更しない
中級者レベルでありがちなのが、「ガットの材質」の迷い
今どきのガットの中には「ナイロンっぽいポリ」「ポリっぽいナイロン」「ナチュラルを超えたナイロン」「ポリに負けないナチュラル」といった中性的な属性を持つストリングもありますが、基本的には各材質の垣根を超越したストリングスはいまのところありません
各材質の違いについては別記事で紹介しているので、まずはそれを読んでみてください
初心者はナイロン、ナイロンガットが2週間以内で切れるレベルになったら「ポリ」「ポリ×他素材のハイブリット」へ移行するのが一般的です
3. ラケットと同じブランドから選ぶ
なぜラケットと同じブランドから?
- 開発テストは同ブランド製品で実施
- メーカー検査合格の「お墨付き」
- 必要最低限のテスト数で済む
- メーカー同士でパクり合い??←
結論から言うと、同じブランド同士で合わせた方が大きな失敗をしづらいからです
ラケットを開発するときは同ブランドのガット張り上げが一般的で、逆にガットを開発する際は同ブランドのラケットを中心に据えてテストします
つまり設計評価、耐久テスト、社内批評会、出荷前のいじわる検査等の工程を「メーカーお墨付きで」クリアして、発売されているわけですね
「〇〇のラケットには、〇〇のストリングを」「フレーム50% + ストリング 50% = ラケット 100%」というマーケティングフレーズも、一周回ってあながち間違いではなかったと言えます
4. 似た製品を、他ブランドから探す
現時点のお気に入り候補と「同じ材質・似た色・似た太さ・違う形状」等の競合モデルを使ってみましょう
ここの工程が最も時間がかかりますが、ある意味楽しいタイミングでもあります
「100%満足できるものは原則、存在しない」という事実は忘れてはいけません
ぺんてぃ
その手間・コストを減らすために当コンテンツをチェックしよう!
5. 好みのガットを見つけたら、1本は絶対に固定
競技レベルに対応したい方が好みのガットを見つけたい場合は、同じラケットが2本は確実に必要です
そして内一本は「お気に入りのガット×現在のテンション」で固定できるように維持管理をしましょう
暫定1位のセッティングと比較し続けることで、似た製品との違い・暫定1位の良さが常日頃感じられるようになります
ぺんてぃ
3本以上持っておくと「テンションの違うラケット」を試合に持ち込めることが出来るようになるよ!
6. テンションは緩め→だんだん硬く
一般的なテンション設定(2023年度)
- ナチュラルガット130 … 平均 48~58 P
- ナイロンガット130 … 平均 45~55 P
- ポリエステルガット125 … 平均 42~48 P
競技レベルや年齢・体格・性別などで細かく変えて欲しいところですが、おおよそ上記のテンションを目安にしましょう
125・130の表記は「ガットの太さ」を表し、ポリエステルのみ125ゲージ(1.25mm)で他の材質は130ゲージ(1.30mm)が基準になります
適正より硬く張り上がった状態だと「ボールが抜けて飛んで行ってしまう現象」が起き、それを飛びすぎと勘違いしてテンションを更に硬く張る→更に抜ける、負のループに陥る可能性があります
迷ったときは、上記の基準テンションより「更に低いテンション設定」で張り上げると失敗しづらいです
7. 定期的に別のガットを触る
①~⑥の工程が道具選びの基盤として、最も重要です。⑦に関しては「自分の選んだ道具は適正だった」と再認識するために行うイメージ
もちろん新たな道具に触り続けることで、衝撃的な出会いが起きたり過去の自分との変化に気づけたりするメリットもあります
無闇に新しいガットを試すだけだと沼にハマりやすいので、お気に入りのセッティング・ベースとなるセッティングは「必ず1種類」は用意しましょう
まとめ:100%の理想を捨てたときに「出会える」
自分自身も意識している、沼らないためのガットの選び方についてまとめました
もう一度振り返るとこんな感じ
- 優先順は「打感→飛び→その他」
- 好みの材質を決め、変更しない
- まずはラケットと同じブランドから選ぶ
- ③で好みを見つけ、他ブランドの似た製品と比較
- 好みのガットを見つけたら1本は絶対固定
- テンションは緩め→硬めへ
- 定期的に他のガットを(同じ材質)触る
これから本格的なガット選びをしたい方も、既に沼ってしまっているかたも参考にしてみてください!
ぺんてぃ
上手く取り入れて見てね!
いつも楽しく記事を拝見しております。
さて、質問させていただければ幸甚です。
●前提
■当方30代中盤男性、いつも市民大会オープンクラス3回戦くらい・スクールだと最上級クラスでも上の方→なので恐らくテニスベアレーティングだとギリギリ中上級(=6)くらいのレベル感で、シコラーです。
■Pure Aero 2019使ってて
ルキシロンスマートが打感すごい気に入ってるんですけど
テンション維持率悪すぎて、毎回「あれ、またテンション落ちて、ちょっと飛びすぎるかも」って打ち方を調整するのだけがダルいです。
※打ち方的に、ガットは中々切れません。ナイロン1.25でも2ヶ月は保ちます。
●質問
■スマートに打感似てて、もうちょいテンション維持マシなガットってありますかね?
■スマートの「強く打つと固くて、弱く打つとソフト」ってのは正直分かんないです苦笑
ただ、なんとなくホールド感が好みというだけです。
エレメントは流石に反発力弱すぎでした。(エレメントもテンション維持微妙だし)
ブラストラフ試そうかと思ってますが、これもテンション低下すると一気に終わるって記事読んで及び腰になっています苦笑
あ、ホールド感といっても、ポリなのにホールド感あるやつの感触が好みであって、さすがにナイロンマルチとかだと、バイーンと飛びすぎて怖いです。
ナイロンモノ、evolutionも試して悪くなかったですけど、やっぱ「ポリ&ホールド感」の感触のほうが好きでした、、、
面倒な質問をしてしまい恐縮です
全然わかります!以下回答です!
スマートは特殊なガットなので、基本ありません。強いて言うならデビルスピンかなって感じ。
テンション維持で言うとブラストラフもスマートも大差ないです!黒色選べば、まあある程度は大丈夫です。黄色はすぐ伸びます。
全然候補と違うかもですが、RPMパワー125は張った事ありますか?もしなければ多少伸びても飛びすぎないし、打ち方を調整しなくても収まりやすいので個人的にはオススメです!